大人への階段を歩む
昨日は、成人の日でしたね。
あちこちで成人式が行われ、二十歳を華やかに迎えられたことでしょう。
成人式といえば、振袖という印象が強いと思います。
振袖を着る機会として、成人式が最もポピュラーな場だといわれています。
そもそも振袖ってどんな着物?
一般的に見られる着物とどういう違いがあるの?
と疑問を持つことが多いかもしれません。
振袖は、袖の「袂」(たもと)が特に長いのが特徴です。
なぜ長くなったのかは様々な説がありますが、ひとつには舞踊を披露する際、舞台の上でより美しく見えるように長くしたといわれています。
約114cmという大振袖も、100〜95cmの中振袖と85cm以内の小振袖など、袖の長さがそれぞれあるようです。
振袖が誕生されたのは、江戸時代からで、袖が徐々に長くなりました。
明治時代以降、未婚女性の正装として定着しました。
未婚女性というのが一番のポイントなのです。
結婚すると、振袖を着れないというしきたりは今にでもかなり守られているようです。
昔、女性が男性の求愛、求婚に対して、直接言葉で返答することは、はしたないこととされていました。
そこで、男性からの求愛に対して「好き」と伝えるときは袂を左右に、「嫌い」と伝えるときは袂を前後に振って意思表示していたといわれています。
現在で言う「振る」「振られる」という言葉には、振袖に由来しているみたいです。
そして、結婚すると、長い袖を切って着用するようになりました。
近年の成人式で見られるようになった、“花魁風”の着こなし。
肩を出した花魁風の振袖で参加なされた方もいらっしゃったそうですが、これは…
私には理解しかねます。
今年も多くの新成人の女性が華やかな振袖を身に包みましたが、その「振袖」を着るには、相応の理由があります。
それらの理由をちゃんと理解した上で、恥じない「大人」に着こなしたいものですね。